piknt’s blog

ゲーム(ピクミン)、ボードゲーム、英語など

テラフォーミングマーズ分析 2章その2

2. ヘラスマップ

盤面図

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称号・褒賞

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概要

発熱資源や海洋タイルボーナス、また右側中段の大きな海洋予定地など特徴的なマップではあるが、一方で植物資源が少ない枯れたマップである。植物ボーナスが上段に固まっているため、中段以下で都市や緑地など盤面を伸ばすのは少し苦労する。プレイしてみるとわかるが、盤面が意外と狭く見える。また、称号褒賞が盤面に絡むものが少なく、盤面戦略にむかず、一方でタグなどの称号や褒賞が多いことからカードプレイが強いマップである。

 

称号について

カードの情報を参照するものが3つ、盤面系が1つ、産出系が1つ、金星環境ではこれに加えてトークン系が1つある。

基本マップに比べ狙っていかないと入れないというものが多い。単純に狙いに行くのではなく、いかにして称号を取りつつ拡大再生産につなげられるかが勝負の分かれ目である。

 

[Diversifier]

条件はプレイしたタグの種類が8種類以上。

狙っていかないと称号は取れないと記したが、これだけは例外。激戦区となる。金星環境だと特に8種類はすぐに達成する。加えて、プレリュードが入ると、2世代目には取れるということが多く、そうなると2世代目のファーストプレイヤーが一番有利。ちなみにタグの種類は全部で、建物、宇宙、科学、植物、微生物、動物、電力、地球、木星、都市、(金星)の10(11)種類である。

 

[Tactician]

条件はプレイした条件付きカードが5枚以上。

おそらく一番難しい称号。基本的に称号争いはゲームの序盤なので、上限条件カードの引きにかかる。序盤に科学タグを多めにプレイしておくと、科学タグ条件のカードをプレイし易くなるので取り易くはなるが、その前に他の称号が取られそうというのがいつものパターンである。

 

[Polar Explorer]

条件はマップ下2段に自分の所有するタイル3枚以上。

この称号があるせいで、植物が肥沃なマップ上段部分に入植するか、枯れているこの下段部分に入植するかで非常に迷う。個人的には、他に取れそうな称号があるなら盤面は上部を抑えておくのがいいだろう。下においてしまうと緑地タイルが本当に伸びにくい。一番いいのは、特殊タイルを配置しまくってこの称号を取ること。

 

[Energizer]

条件は電力産出6以上。

金さえあれば標準プロジェクトで電力産出は上げられるが、もちろん効率が悪いので最小限に抑えてなるべくカードで電力をあげよう。ただ、電力を上げたからには、電力→酸素カードもしくは都市カードなどで、電力を発熱に変える以外の有効活用をしたい。つまりそのようなカードがなければこの称号は狙うべきではない。他人の電力を減らせるPower Supply Consortium, Energy Tappingの2枚には要注意。

 

[Rim Settler]

条件は木星タグ3枚以上。

木星タグは全部で16枚。2枚までなら割とすぐ来るんだが、、ということも多い。Saturn Systemsがヘラスマップで強いと言われる理由の1つ。企業のタグで3枚中1枚がすでにクリアできている。

 

[Hoverload]

条件は浮遊物7個以上。

基本マップではすぐに他の3つの称号が埋まってしまいがちだったが、このヘラスでは[Diversifier]以外は意外と時間がかかることが多い。よってこの称号は基本マップの時よりは取りやすい。また、後で述べるが褒賞に[Excentric]があるのでそれとの相性も良かったりする。金星企業が狙いやすいのは変わらず。

 

褒賞について

カードを参照するものが金星を含めると4つ、盤面系が1つ、もう一つはトークン系。

カードプレイが有利になっている理由の1つ。基本マップに比べまくるのが難しいマップ。つまり、勝てる算段がついたら早めに創設する動きが大切。

 

[Cultivator]

盤面上の緑地タイルの保有枚数を競う。

盤面戦略をする場合は是非取りたい。植物産出がある程度あり、上部の肥沃な大地を抑えている人が最も獲得しやすい。[Poler Explorer] がマップ下段ならこっちはマップ上段という感じ。

 

[Magnate]

プレイした緑カードの総数を競う。

この褒賞があるため、カードをとにかく使いまくる作戦が有効。これが取れるということは、手元のカードVPも大量にあることだろう。緑カードは枚数が多いため、まくられる可能性はヘラスの他の褒賞に比べると割とある方。

 

[Space Balon]

プレイした宇宙タグの枚数を競う。

たぶん一番まくられにくい。宇宙タグは木星タグとの相性も良いため、称号で[RIm Settler]をとり、褒賞でこれを設置するという作戦が非常に相性がいい。よって木星戦略がこのマップにおいては強くなる。序盤からチタン産出をあげられていると有利。

 

[Excentric]

カード上のトークンの総数を競う。

ヘラスの中では一番まくられる可能性は高いので、余裕をもって入りたい。そのトークンが純粋にカードVPにもなるというカード(たとえば動物など)の方が効率がいい。一方でそのトークンを消費してたとえば酸素濃度上昇や気温上昇という類のカードはトークンを集めるのにはむかない。浮遊物で[Hoverload]をゲットできたら、この褒賞も見ておこう。

 

[Contractor]

プレイした建物タグの枚数を競う。

建物タグは枚数が多いため、[Space Balon]よりは変動が大きい。マップ上中段には建材が落ちているのでそれを拾いつつ建物タグカードをプレイすることができると効率がいい。ヘラスの盤面は弱いのでできたらいいくらいの感覚で。

 

[Venuphile]

プレイした金星タグの枚数を競う。

金星タグは宇宙タグとは相性がいいので[Space Balon]とこの褒賞というのは戦略として非常に強力。一方で金星タグカードは青のアクションカードが比較的多めなので、[Magnate]とはあまり相性が良くない。

 

ヘラスマップで価値が上がるカード 

・電力産出を増加させるカード全般

称号[Energizer]があることから、電力産出をあげるカードは全体的に価値が上がる。ただ、その後の使い道をきちんと考えて行動しよう。

 

・Advanced Alloys & Mercurian Alloys

前者は、褒賞に[Contractor][Space Balon]が存在するため、このゲームにおいては建材産出やチタン産出が上がっていることが多い。その上でこのカードがくればかなりおいしい。後者は、チタンのみではあるが、安価で宇宙タグがついている。

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・AI Central

科学タグ3枚の条件が少々厳しいが、序盤に科学戦略をとりなるべく早く出したい。称号[Tactician]にカウントされる。このマップでは長期戦になりがちでカードプレイが有利な盤面なので、これで毎世代相手より2枚多く引き、褒賞[Magnate]を掴み取ろう。建物タグが付いているのも褒賞[Contractor]に貢献していて良い。

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・Asteroid Mining Consortium

木星タグがついておりかつ条件付きカードなので、称号[Tactician][Rim Settler]に貢献する。注意すべきは自分と最低誰かもう一人のチタン産出がないと使えないという点だ。ただ、このマップでは上で述べている通りチタンの価値が相対的に高いので序盤からチタン産出を上げているプレイヤーがいてもおかしくはない。そんなときにこのカードがつかえれば大ダメージを与えられる。

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・Earth Catapult

1世代目から使えるとかなりお得。このカードの後に、仮に30枚プレイできたとするとトータルで60MC割引、カードが購入費を含めても26MCなので、差し引き34MC(+2VP)というバグったカードになる。正直どのマップでも序盤に使えれば強いとは思うが。

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・Energy Tapping & Power Supply Consortium

ともに相手の電力を減らすカードだが、[Energizer]を狙っている相手に使えると非常に強力。

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・Meat Industries

褒賞[Excentric]があるため、動物などのトークンを乗せるという行為自体が価値が上がる。動物は1世代に1回置けるものが多く、要するに動物カードが1枚ごとにMC産出+2となっているようなものである。建物タグが付いているのもいい。

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・Ore Processor (などの電力→酸素カード)

 称号[Energizer]を取りつつ、これが使えたら最高のムーブ。電力→酸素のカードは4枚ほどあるが、Ore Processorが一番のあたりカード。チタンは余らせることはあまりないし、宇宙タグのカードも使い易くなる。なんといっても酸素濃度が早く上昇するので盤面戦略をしている相手を弱体化させられる。

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・Pets

地球タグと動物タグという比較的少なめのタグが2つ付いているため、称号[Diversifier]で有利なのと、(他のマップに比べ都市の伸びはあまり良くはないが)動物が勝手に乗っていくので褒賞[Excentric]も有利。

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・Physics Complex

電力産出がちょうど6で称号[Energizer]からのこのカードという流れ。1世代で2VP入る。

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・Research Coordination

効果はワイルドタグのみ。ワイルドタグの効果は、何かアクションをする際にこのタグを好きなタグとして使える。

たとえば、「称号を獲得する」「科学タグが条件のカードをプレイする」というのは1つのアクションである。称号[RIm Settler]をとる際に、このタグを木星タグとして扱える。これはかなり強力。また、称号[Diversifier]をとる際にも、このタグを今自分が出していない任意のタグとして扱える。また、科学タグ条件のカードがプレイし易くなるため、称号[Tactician]もついでに少し有利になる。

逆に、「褒賞を設置する」のは1つのアクションだが、タグ系の褒賞に関してタグの枚数をカウントするのはゲームの最後、つまり褒賞のタグの枚数には入らない。

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Space Elevator

宇宙タグと建物タグが同時に付いていて、褒賞[Space Balon][Contractor]がともに増える。チタン産出+1はこのゲームにおいては強力で、建材も盤面などから集め易い。

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・Stratospheric Birds

金星12%という条件であるが、動物1個1VPカードの中では出せるようになるまでが1番早い。浮遊物を1つ減らさないといけないのは要注意。先ほども上げたように褒賞[Excentric]はトークンを乗せて、そのトークンがVPとなるものの方が相性がいい。つまり早めに出せるこのカードは強い。

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・Terraforming Ganymede

木星戦略をしているときのみであるが、かなり強力。おまけに宇宙タグも付いている。最終盤で使う。称号[Rim Settler]を取れたら、木星戦略に特化し頑張って木星を集めまくって、最後にこれをプレイする。

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