テラフォーミングマーズ分析 2章その3
3. エリシウムマップ
盤面図
称号・褒賞
概要
エリシウムマップの特徴は、盤面もカードプレイもどちらもおいしく、基本マップとエリシウムマップのちょうど真ん中に当たるマップ。だからこそ戦い方が難しい。
上部は海が固まっており、中央は植物ボーナス、下段は建材ボーナスが多い。また右上の狭い隙間のカード3枚ボーナスなども魅力的である。
称号について
産出系が2つ、タグやカード参照系が3つ、金星環境ではこれに加えてトークン系が1つある。
産出も実質カードをプレイしてあげていくことがほとんどなので、序盤はカードプレイの大切さがわかる。
[Generalist]
条件は6つの基本資源(MC、建材、チタン、植物、電力、発熱)の産出が全て1以上。
プレリュードが入ると割と早く埋まることが多い。チタン産出が肝。プレリュードカードのMetals Company, Society Supportはこのマップでは価値が上がる。
もちろん狙えるなら入っていいと思うが、基本的にこのゲームは分散投資よりはどれかに特化して戦略を立てていく方が点数が伸びやすい傾向にあるので、これを取った後の戦略の立て方が重要である。
[Specialist]
条件はいずれか1つの基本資源(MC、建材、チタン、植物、電力、発熱)の産出が10以上。
大抵は、MC産出、たまに発熱産出。これもプレリュードでMC産出を大きく増やせるカードがあるので、かなりの確率でわりとはやめに埋まる。序盤にMC産出を伸ばすのはメリットも大きい。激戦区にはなりやすい。
[Ecologist]
条件はプレイした植物、微生物、動物タグの合計数が4枚以上。
企業タグに植物や微生物などがついていればかなりアドバンテージ。そういう意味ではPharmacy Unionは微生物タグ2つなのでかなりアドバンテージである(が、この企業は能力があまり強くない。) また、プレリュードカードではEcology Expertsが植物タグと微生物タグ1つずつついているので強力。
エリシウムでは盤面戦略も取りやすいので、植物産出をあげるカード(植物タグカード)を使うメリットは大きいが、称号[Legend]があるため隕石が降ってきやすい。つまり植物が焼かれやすい。このことは注意しておこう。
[Tycoon]
条件はプレイした青と緑の合計カード枚数が15枚以上。
プレリュード環境下では一番入るのが難しいと思われる。序盤からEarth CatapultやResearch Outpostを引き、かつ安いカードをいっぱいプレイできれば獲得できるが、大抵の場合他の称号が先に埋まる。無理に狙いに行くという称号ではない。
[Legend]
条件はプレイしたイベントカードが5枚以上。
基本的にイベントカードは使った後はタグは参照されないのだが、このマップにおいてはこの称号の存在によりイベントカードを使うメリットが大きくなる。イベントカードは高価なものと安価なものの差が激しく、安価なもので入れればコスパがいい。ただこの存在によって、植物が焼かれやすく、海や気温が比較的上がりやすいということだけは覚えておこう。
[Hoverload]
条件は浮遊物7個以上。
このマップでは[Generalist]が比較的はやくに獲得されやすいが、3つがすぐに埋まるというような環境には普通はならないため、Hoverloadも早さは他の称号と同じくらいという感じだろうか。金星を育てるつもりなら入ろう。
褒賞について
カード系が1つ、資源系が1つ、盤面系が2つ、TR系が1つ、金星環境ではタグ参照が1つ加わる。
[Celebrity]
プレイしたコスト20以上のカードの枚数を競う。(イベントカードを除く)
コスト20以上のカードは意外と多くないので比較的安定しやすい。コスト20以上のカードで使えそうなカードは木星タグあるいは都市タグがついていることが多い。木星戦略をするのなら相性がいい。
[Industrialist]
所有する建材と電力の資源の合計数を競う。
電力は次の世代に持ち越すことができないので、結局ゲーム終了時の産出と同じ数が資源となる。資源、産出系の褒賞は変動しやすく、これもその一つ。マップ下段には建材が結構存在するので、[Desert Settler]との相性も良かったりする。建材が大量に余ってしょうがない時は入りたいが、Energy Savingだけは注意。このカードで最後に電力産出を爆上げされる危険性がある。
[Desert Settler]
マップの下4列の所有タイル枚数を競う。
このマップでは海がない砂漠の設定ではあり、海の隣接ボーナスや植物ボーナスなどがゲットしにくい反面、都市をうまくおけば盤面点を伸ばし易く、その上この褒賞があるため人気は高い。盤面戦略をがっつりするなら[Estate Dealer]よりこっち。
[Estate Dealer]
海洋に隣接した所有タイル枚数を競う。
海洋に隣接する可能性がある場所は基本的には18箇所ある。ただ、海洋を海洋予定地でない場所に配置できるカード(Artificail Lake)や逆に海洋でないタイルを海洋予定地に配置できるカード(Mangrove, Mohole Area, Protected Valley)などがあるため、計算が狂うこともある。
金星環境で世界政府による開発を導入していてこの褒賞を狙っているなら、自分のタイルに近づけて海洋をうまく配置したい。Water Import from EuropaやAquifer Pumpingなど海洋を毎世代置けるアクションカードもこの褒賞を狙うならピックアップすべきである。
[Benefactor]
ゲーム終了時のTRの高さを競う。
グローバルパラメータだけを見るとTRの総数は逆算できるが、カードでいくつかTRをあげられるので終盤でTR系のカードが見えたら要注意。基本マップの[Thermalist]と反対で、この褒賞が設立されるとグローバルパラメータの取り合いになりゲームが加速する傾向にある。その上、称号[Legend]の存在もゲームを加速させているためエリシウムは比較的短期戦になることが多いマップであるということを意識しておこう。
[Venuphile]
プレイした金星タグの枚数を競う。
金星タグつきのコスト20以上のカード(イベントカードを除く)は6/30枚で[Celebrity]と比較的相性がいい。また[Benefactor]があるためTRをあげる目的で金星を育てることもあるため金星タグは基本マップに比べ割と出されやすい。みんなが出しやすい環境なので安定度合いからいうと不安定ともいえるか。
エリシウムマップで価値が上がるカード
・イベントカード全般
称号[Legend]があるため、イベントカードの価値が多少上がる。イベントカードで気温や海をあげてTRを稼ぎつつ、褒賞[Benefactor]を取れればいいムーブ。
・Advanced Ecosystems
称号[Ecologist]が取れれば割とな確率でこれがプレイ可能になる。VPのみカードなのでプレイするの自体は最後でいい。
・Aquifer Pumping
褒賞[Estate Dealer]があるためこれを狙っている場合、海の配置場所が鍵となっている。ただ、海は全部で9枚しかなく、このマップではイベントカードで序盤に海が置かれる場合も多いのでそんなに何回も使えないこともある。3回くらい使えれば十分。自分のタイルに近づけてうまく海を配置したい。
・Artificial Lake
海洋予定地以外に海洋を配置できる唯一のカード。これも褒賞[Estate Dealer]があるため、この海の存在によって褒賞の1位が入れ替わることもあるかもしれない。
・Earth Catapult
やはりこのカード。エリシウムではヘラスほどではないがカードプレイもそこそこするので効果は強い。褒賞[Celebrity]にもカウントされる。
・Energy Saving
普段はあまり使われないカードだが、エリシウムでは褒賞[Industrialist]があるため、これが設立された時のみ価値が上がる。正直このカードが出てくるまでは、[Industrialist]を設立するのは危険と言ってもいい。
・Flooding
上にすでにイベントカード全般と書いたが紹介する。
-1VPではあるが、安価に海を配置でき、またその海に隣接するプレイヤーのお金を減らせる効果があるので、[Estate Dealer]が存在するこのマップでは効果がある。序盤の4MCはまあまあ痛いので、できるだけ早めに使いたいし、[Legend]とも絡めたい。
・Giant Solar Shade
TRが3つあがり、コスト20以上、金星タグということで褒賞3つに貢献する。純粋に強い。
・Industrial Microbes
紹介するか迷ったが、このマップではまあまあのカード。微生物タグで[Ecologist]、電力産出、建材産出で[Generalist]に絡む。ただし、プレリュードの存在によって、[Generalist]はかなり激戦区になることも多い。称号抜きで考えてもコスパは普通にいい。
・Magnetic Shield
電力タグ3枚という条件がちょっと厳しいが、これもコスト20以上、 TR+4ということで[Celebrity][Benefactor]に絡んでいる。終盤でTRをまくれる可能性も十分にあり得る。
・Mangrove & Mohole Area & Protected Valley
共通点は、海洋予定地にタイルをおけること。これで褒賞[Estate Dealer]の計算を狂わせることができる。
また、Mohole AreaとProtected Valleyはコスト20以上。Protected Valleyは植物タグで[Ecologist]にも絡む。一方、Mangroveは気温4度以上なので、[Ecologist]には絡まない。
・Nitrite Reducing Bacteria
微生物タグ、TRをあげられる。ただ、これ1枚ではTRの伸びは期待できないので、他のカードに微生物を載せられるというカードと組み合わせて使いたい。
・Release of Inert Gases
イベントタグでTR+2、序盤用。
・Soletta
高額ではあるが、これで一気に産出+7なので称号[Specialist]に近づく。序盤のカードでこんなに一気に産出を増やせるカードはあまりないので発熱産出+10を狙えるなら使おう。褒賞[Celebrity]にも貢献。ただ、その反面このマップではイベントカードが使われる傾向にあり、気温は割と伸びやすい。
・Water Import from Europa
木星タグ1枚につき1VPカード。コスト20以上。効果自体は[Aquifer Pumping]の方がかなり勝るので、木星戦略をしているときだけに限る。海洋を配置できる効果は[Aquifer Pumping]で述べた理由と同じ。
この効果をたとえ使えなくても、木星戦略をしていればこの1枚だけで5,6VP取れることもあるのでそういう場合はピックアップ。
・Terraforming Ganymede
これも木星戦略時に限る。木星戦略の一番のあたりカード。こちらはTRが一気にあがるので[Benefactor]をまくれる能力もある。コスト20以上。
・都市系のカード
あまり都市系のカードを紹介しなかったが、エリシウムは褒賞2つが盤面なので盤面戦略も有効である。また、都市カードを使うとMC産出が3,4上がるというようなカードが多いため、[Specialist]とも絡む。がっつり盤面を制したいなら中下段の方が伸ばしやすい。