piknt’s blog

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テラフォーミングマーズ分析 3章その1

続いて戦略について解説する。

このゲームではもちろんカード引きの運要素もあるが、戦略がかなり重要で状況や手札によって取るべき選択は毎回異なるものになる。

有効な攻略法の原理を理解しておくだけでも負けなくなる確率は上がる。

以下王道戦略について述べる。

 

1. 盤面戦略

2. TR戦略

3. 木星戦略

4. トークン戦略

5. 科学戦略

6. 電気酸素戦略

7. 褒賞横取り戦略

8. 金星戦略

9. その他ゲーム全体に関わる戦略

 

以上のような流れで述べようと思うが、あくまで王道戦略なので実際のプレイではこれらのうちいくつかを組み合わせてプレイしていくことになるし、場合によってはこれらに当てはまらない戦略もあるだろう。

 

1. 盤面戦略

盤面点を主な得点源にする戦略を「盤面戦略」と呼ぶことにする。

戦略としては先に少なくとも1つ都市を配置して、植物産出を序盤にあげるカードは優先的にピックアップ。植物は8個焼かれないよう貯まったら基本はすぐ消費する。酸素濃度が14%になるまではTR+1,緑地タイルで1VP,都市と隣接させたら1~3VPとなる。

基本的には特に緑地タイルは標準プロジェクトは使わず、植物消費で行う。また、盤面の植物ボーナス地域を支配することで植物をさらに稼ぐことができる。また、都市も標準プロジェクトよりはカードを使った方がいいことが多く、都市カードでは多くが電力産出を下げるものがほとんどなので、(たとえ現時点で都市カードがなくても)電力産出を上げるカードは少なくとも1枚くらい持っておきたい。また、盤面の都市の美味い配置の仕方は「桂馬置き」(自分の都市2つの間に緑地タイルが2つ配置できるように置く配置のこと)。

植物系のカードは気温や海が条件になっているものが多い。盤面戦略は都市に高コストがかかるので序盤は金欠になりやすいので、一人で海洋配置や気温上昇に貢献できない。なので、ドラフトであれば発熱産出カードや気温上昇や海洋配置ができるイベントカードなどは自分で取らずにあえて回すという作戦もあり。ただ、気温上昇や海洋配置ができるカードの多くは他人の植物を焼く効果も付随しているため、盤面戦略をしていると優先的に植物が焼かれ易くはなるが。

 

盤面戦略とマップの相性

基本マップ:★★★★★

一番相性がいいのは基本マップ。赤道付近に植物ボーナスが多く、海洋が配置された後は海洋隣接ボーナスも得やすい。また、称号には[Mayor],[Gardener]、褒賞には[Landlord]の3つがあるのも特徴である。これらの称号は競争が激しく、[Mayor]と[Gardener]を両方取ることは難しい。また、[Mayor]に関しては火星外の都市もカウントされるので盤面戦略でない相手も競争相手となることもある。称号を取るまでは最悪標準プロジェクトを使ってもいい。

 

ヘラスマップ:★☆☆☆☆

ヘラスは盤面の植物ボーナスが少なく、海洋隣接ボーナスも北西部以外は正直微妙である。また、このマップの称号には[Energizer]がある。つまり、あとで述べる「電気酸素戦略」を行うプレイヤーがいると酸素濃度の奪い合いになり、そうなると本来緑地タイル配置で稼げるはずのTRが稼げなくなる。また、ヘラスの称号に[Polar Explorer]がありつい南側にタイルを配置したくなるが、これは罠。北部が空いていればそちらが優先。となるとヘラスで盤面戦略をする場合おいしい称号というのが存在しない。褒賞は8MCのうちに[Cultivator]に入っておこう。[Polar Explorer]よりよっぽどおいしい。

 

エリシウム:★★★☆☆

この盤面も植物ボーナスは基本マップと同様赤道付近に多く、それなりに盤面がおいしいマップとなっている。ただし称号は盤面関連のものはなく、かわりに[Ecologist]が存在し、盤面戦略をしていると有利に入れるだろう。褒賞は[Estate Dealer]と[Dessert Settler]があり、この2つは共有する部分はほとんど存在しないため両方1位を取ること難しいので片方を確実に取る戦略をしたい。称号[Legend]があるためイベントカードを使われやすく、盤面戦略をしていると植物が焼かれやすい。その分盤面戦略は基本マップよりは少しやりにくい。

 

2. TR戦略

TR上昇を主な得点源とする戦略を「TR戦略」と呼ぶことにする。

TR上昇はグローバルパラメータをあげること、及び一部のカードを使用することでできる。この戦略をする場合、序盤に産出を上げてゆっくり戦うのではなく、イベントカードなどを駆使してグローバルパラメータを素早くあげ早期にゲームを終了させるように戦う必要がある。逆にもたもたして世代が伸びたりすると盤面戦略やトークン戦略をしているプレイヤーに負ける可能性が高まる。 この戦略の一番のメリットは、攻撃・妨害されにくいということである。理由は産出がそんなに伸びていないためである。

イベントカード以外にも、微生物をためて気温、酸素濃度、TR単体を上げるカード、毎世代海洋を配置できるカードなども有効である。予想外にゲームを早く終わらせることで、他のプレイヤーがお金が足りずにカードを余らせてしまう状況が作れれば勝てる。よって自分もカードの買いすぎには注意。

 

TR戦略とマップの相性

基本マップ:★★★☆☆

基本マップとの相性はまあまあといったところだろうか。称号[Terraformer]は獲得するのが難しいが、初期手札に産出系ではなくTRを伸ばせる系カードが多くあれば狙えなくはない。序盤にTRをあげることで金銭的余裕も出てきやすい。有利な褒賞はあまりないが、比較的狙いやすいのはタグ系の褒賞。金星タグや科学タグは産出系に絡むものが少なく、微生物や浮遊物などのトークンを消費してTRを上昇できるものが割と多い。一番取られてはいけないのは[Thermalist]。気温が上昇しきっていない状況でこれを設置されるとゲームが長引く傾向にあるからである。

 

ヘラスマップ:★★☆☆☆

カードプレイ重視のこのマップではゲームが長引きがちなので、TR戦略はおいしくない。TRを参照する称号や褒賞もない。称号に関してはあきらめて、褒賞で[Venuphile][Space Balon]くらいがまだ比較的狙いやすい。ただ、宇宙タグに関してもTR戦略をする場合は多くがイベントカードなので参照されないことには注意。TR戦略でもMC産出、チタン産出をあげておくのは何かと有利になるだろう。

 

エリシウムマップ:★★★★★

TR戦略が最も強くなるのはエリシウムマップ。なんといっても称号[Legend]があるおかげで、普段参照されないイベントカードが強くなり、気温や海の上昇がはやくなる。他の人が産出系を増加して[Generalist]や[Specialist]を狙っている間に[Legend]を取る準備はしておこう。また、褒賞にも[Benefactor]がありこれもさらにゲームを加速させる。[Legend]が取得できたら8MCのうちにさっさと[Benefactor]をとってしまうのもあり。これによって他のプレイヤーもグローバルパラメータをあげにくるのでゲーム終了が近くなる。あとは[Venuphile]もとれればなお良い。イベントカードをバンバン使って盤面戦略をしているプレイヤーを弱体化させよう。

 

3. 木星戦略

木星タグプレイを主な得点源とする戦略を「木星戦略」と呼ぶことにする。

木星タグがついているカードはかなり少ないが(16/304枚, プレリュードカードで2/35枚)、効果が強力なものが多く、また木星タグ枚数を参照するカード(以下、木星参照カード)を集めることでVPだけで爆発的な点数を叩きだすことができるのが一番の特徴である。木星参照カードは木星タグ16枚のうち4枚あり、木星戦略におけるキーカードとなる。これらは引いたらピックするのがマストと言っていい。以下の4枚である。

・Water Import from Europa(25MC, 1VP/木星, 海洋配置効果はおまけとして捉えてもいい。)

Ganymede Colony(20MC, 1VP/木星, 火星外に都市配置。)

・Io Mining Industries(41MC, 1VP/木星, MC産出+2,チタン産出+2。できるだけ序盤に出したい。)

・Terraforming Ganymede(33MC, 2VP, 木星の数だけTR上昇。単純に上3枚のカード+2VP入るので一番のあたりカード。最終盤で使う。)

木星戦略はドラフトありとなしの場合でゲームスタイルが変わる。ドラフトがない場合は妨害されることがないので、ゲーム序盤から木星タグをいっぱいプレイしても大丈夫である。盤面戦略をしているプレイヤーに比べると悠々と得点を伸ばせるだろう。一方で、ドラフトありの場合は木星戦略の場合でも慎重に戦わなければならない。基本的に木星タグが回ってきたらピックするのでいいのだが、序盤から木星タグをたくさんプレイをすると相手に木星戦略をしていることがバレてしまい、カード購入フェイズで相手に木星タグをカットされるリスクが高まる。特に、上4枚の木星参照カードは真っ先にカットされる。よって、中盤まではなるべく最小限で木星タグをプレイすることを心がけたい。

 

木星戦略とマップの相性

基本マップ:★☆☆☆☆

基本マップには木星戦略とあう称号が一つもなく、称号に関しては諦めるしかない。褒賞は強いていうなら[Scientist]くらい。カード引きをして少しでも木星タグをひける確率を高めるように科学タグをプレイしていくといい。または木星戦略は基本的に高コストなのでゲームが長くなる方が有利なため、[Thermalist]でゲームを少しでも伸ばす。いずれにしてもこのマップで木星戦略はあまりおいしくない。

 

ヘラスマップ:★★★★★

ヘラスマップは木星戦略と非常に相性がいい。称号[Rim Settler]は木星3枚で入れ、また[Diversifier]もレアな木星タグを出せれば少しアドである。また、褒賞もカードプレイに有利なものが多く、特に木星タグは宇宙タグと相性がいいので[Space Balon]が狙いやすい。その次に[Magnate]か[Venuphile]。序盤にチタン産出を増やしておくようなカードがあれば非常に戦い易くなるだろう。

 

エリシウムマップ:★★★☆☆

基本マップとヘラスマップの間くらいで、盤面偏重でもカード偏重でもない。称号で有利なものはないが、かといって[Ecologist]以外は不利なものもない。また褒賞は木星戦略をとっているならほぼ確実に[Celebrity]に入れる。木星戦略に決めたら、8MCのうちに設置しておこう。逆に盤面系の褒賞は取りにくい。[Benefactor]に関しては、Terraforming Ganymedeが手札に来るかどうかにかかる。これがくれば一気に褒賞逆転の可能性が高まる。ただし、このマップはゲーム終了が早くなりがちなので購入するカードはできるだけ絞って戦いたい。

 

4. トークン戦略

微生物、動物、浮遊物などのトークンなどでVPを貯めていく戦略を「トークン戦略」と呼ぶ。

トークンは毎世代置くごとに得点が上がっていくので、基本的には長期戦に強い。特に1VP/動物カードは強く全部で7枚ある。ただ動物は出せる条件が割と高めに設定されている。

・Predetors(酸素濃度11%以上,アクションで他のカードからこのカードに動物を載せられる。基本的には他人の動物を奪う。)

・Fish(気温+2℃以上, 誰かの植物産出-1, アクションでこのカードに動物+1)

・Birds(酸素濃度13%以上, 誰かの植物産出-2,アクションでこのカードに動物+1)

・Livestock(酸素濃度9%以上, 植物産出-1,MC産出+2,アクションでこのカードに動物+1)

・Penguins(海洋8枚以上,アクションでこのカードに動物+1)

・Stratospheric Birds(金星開発度12%以上, 浮遊物-1,アクションでこのカードに動物+1)

・Venusian Animals(金星開発度18%以上,  科学タグを出すたびにこのカードに動物+1)

Venusian Animals以外はアクションで毎世代1個動物を増やしていくカードである。動物カードは出せる条件が来たらすぐにでも出したい。出してからゲーム終了までをどれだけ長くできるかが勝負。金星開発の度合いにもよるが一番はやく出せそうなのがStratospheric Birdsの金星12%。また、Livestockは自分の植物を減らさないといけないので若干損だが、Stratospheric Birdsの次くらいに条件が満たされる。Predetorsは他に動物を載せている相手がいないと効果が薄いので注意。ただ、ドラフトなどでこのカードを見た場合は当然ピックしてカット。というか、このカードが相手プレイヤーに出されてしまうと、トークン戦略は失敗に終わる確率があがるのでリスキーな戦略でもある。Protected Habitatsのようなカードが引ければ奪われる心配がなくなる。Venusian Animalsは科学戦略と相性がいいが、金星18%というのがなかなかにしんどい。

 また、動物を載せられるイベントカードというのも数枚ある。最強カードはLarge Convey、このカードだけで7点(海で1TR、動物4個、カード自体で2VP)である。

 上で述べたカード以外にも、2個で1VPのカードや、微生物や浮遊物など2,3個消費してTR(もしくはグローバルパラメータ)をあげるというようなカードも使える場面は割とある。

 トークン戦略において最強の組み合わせはプレリュードカードのEcology Experts+1VP/動物カード(Stratospheric Birds, Predetorを除く)である。グローバルパラメータの条件を無視していきなり出せるので少なくとも世代数分の動物がたまる。

 

トークン戦略とマップの相性

正直、トークン戦略は持っているカードとグローバルパラメータの伸び方の相性によって毎ゲーム異なるので評価がつけづらい。ただ大抵の場合、酸素濃度が最後になることは少ない。発熱より植物の方が人気があるし、気温は19段階、酸素濃度は14段階だからだ。海洋は中盤くらいで9枚に到達することもあれば、最後になることもある。

基本マップ:★★☆☆☆~★★★☆☆ 

基本マップではトークン戦略で有利な称号はないが、[Greenery]があるため序盤酸素濃度が割と上がりやすいので、酸素濃度条件系のトークンカードは使い勝手が良さそう。都市がいっぱいおかれるマップであるので、序盤にPetsを出せると強い。また、動物、微生物タグと植物タグは相性がいいので植物産出も上げていけるとなお良い。褒賞は[Scientist]は地味に相性がいい。Viral Enhancers, Adaptation Technology, Cutting Edge Technologyなどの科学タグカードは、トークン戦略にはもってこいである。特に、Venusian Animalsを使えれば科学タグの価値がさらにあがる。

 

ヘラスマップ:★★★★☆

称号は[Tactician]が有利。ただし動物カードは基本的には条件が高いものが多いので、序盤は微生物や浮遊物系のカードを使って条件カード5枚を達成できればかなりいい。また、[Diversifier]も狙い目。トークン戦略をすると植物、微生物、金星、科学、(動物)カードなどが自然に出されることになる。ただ、これは激戦区になるが。褒賞はなんと言っても[Excentric]がおいしい。特に、トークンを貯めていってそれがそのままVPに貢献するものがいい。トークンを消費してなんぼのカード類でトークンを貯めていくのはもったいない。

 

エリシウムマップ:★★☆☆☆

称号[Ecologist]はかなり有利。ぜひ取りたい。トークン系カードは条件が厳しいものが多いがコストは安いものが多いため[Tycoon]がその次に狙いやすいがこの称号はそもそも達成するのが難しいので取れればでいい。[Legend]があるため、気温上昇や海洋配置などのイベントカードが使われやすく、また盤面もそれなりに有利なマップなので、グローバルパラメータはどれも均等に伸びるということが多い。そのためどの動物カードが出しやすいか見極めるのが難しく、動物カードを出してからゲーム終了がはやいことも多い。また、有利な褒賞はない。