テラフォーミングマーズ分析 2章その1
この章ではマップ別に解説する。
1. 基本マップ
盤面図
称号・褒賞
概要
基本マップの特徴は、中央の海洋予定地とそれに隣接する土地の肥沃さであろう。大量の植物資源が眠っている。建材チタンもバランスよく周辺に散らばっており、海も左下以外はあるので海洋隣接ボーナスも得やすい。
また、この肥沃な大地に加え、称号、褒賞を見てみると、盤面に絡んでくるものが3つある。つまりこのマップでは盤面戦略が優位にゲームを進めやすい。
称号について
盤面系が2つ、タグ参照が1つ、TRが1つ、そして手札枚数系が1つ、金星環境ではこれに加えて浮遊物系が1つある。
基本マップの称号は割とはやめに埋まりやすい。8割くらいの確率で、[Mayor], [Gardener], [Builder]の3つが埋まるという展開になる。
[Terraformer]
条件はTR35以上。
TRをあげることに関してはデメリットはないが、他の条件にくらべ達成に時間がかかる。企業がUNMIでも獲得できるかどうかというライン。これが達成できていれば、毎世代のMC収入が多いということなので後半の試合も金にあまり困らずに試合を進められるだろう。TRが特に大きくあがるものはTerraforming Ganymede, Magnetic Shield, Giant Ice Asteroidの3つ。
Terraforming Ganymedeは木星タグの数だけTRがあがるので未知数、Magnetic Shieldは電力タグ3枚が条件でTR+4, Giant Ice Asteroidはイベントカードで条件はなしでTR+4である。Terraforming Ganymedeを除き最大4と覚えておこう。つまりTRが31の状態であれば1アクションでTR4をあげ、もう1アクションで称号を獲得するという手があるということだ。
[Mayor]
条件は所有する都市タイルが3枚以上。
火星外の都市ももちろん含まれるので注意。おそらくこれが1番はやくに埋まりやすい称号。緑地タイルを置くのは自分の都市タイルを置いてから、というのが盤面戦略における鉄則なので、基本的に都市3枚以上というのはすぐに達成する。また、都市カードがなくても標準プロジェクトでも都市は立てられるし、プレリュードカードでは都市を立てられるカードが2/35枚あるので本当にすぐに達成する。しかもこのプレリュードカードは2枚とも建物タグがついているので[Builder]とのシナジー効果もある。
たとえば都市が2つで2人同時に並んでいる状況で、次のターン初手番で33MC(25+8)以上なら標準プロジェクトで都市をおいて狙いに行くのもありである。逆に手番で負けるとわかれば、別の称号を狙いに行くなどをしてこの称号に関しては諦めた方がいい。
[Gardener]
条件は所有する緑地タイルが3枚以上。
これも激戦区になりやすい。都市と同じくこれも標準プロジェクトでも立てられる。プレリュードカードでは緑地タイルを1つ配置するものが1枚ある。実際、Ecolineをのぞいて、植物資源のみで緑地3枚を配置するのは間に合わないこともよくあるので、標準プロジェクトも使いつつ取るという手もある。ただし、基本的に標準プロジェクトは効率が悪いので使いすぎは良くない。
また、普通のカードで緑地タイルを配置できるものは3枚のみで、1枚は気温4度以上が条件なので無視してよく、実質警戒すべきは、Plantation(科学タグ2枚以上)とProtected Valleyの2枚。Mayorが無理だと判断したらこちらの称号を狙いに行く、あるいはその逆というのはよくある。
[Builder]
条件は建物タグ8枚以上。
一番有利な企業は建物タグが2枚ついているMining Guildで、プレリュードの建物タグは全部で9/35枚ある。プレリュードがあることによりさらに取りやすい称号となっている。ただし建物タグは都市がからむカード以外はあまり使えないということも多く、8枚を達成するためだけに戦略に合わないカードを出したりするのはかえって非効率になることもある。無難に入れるときに取ろう。
[Planner]
条件は手札16枚以上。
よっぽどのことがないとまず取れない。強いて言えば、ゲームが長引く少人数(3人戦)のInventrixやMSIなど。ちなみにプレリュードカードで3枚カードを引けるというのが2/35枚存在する。つまり、InventrixやMSIとプレリュード2枚で最大カードを9枚引くというようなことも可能ではある。普通のカードを7枚買っておけばいきなり称号ゲット。1度こんなようなこともやってみたい。
[Hoverload]
条件は浮遊物7個以上。
金星企業のMSIやCelesticが狙いやすいが、基本マップでは[Mayor], [Gardener], [Builder]との競争になることが多い。Extractor Balloonsや、他の浮遊物を乗せられるアクションカード + Air-Scrapping Expeditionなどがくると取りやすくなる。
褒賞について
終盤の点数を稼ぐ手段の1つにこの褒賞がある。
盤面系が1つ、タグ参照が1つ、産出や資源系が3つ、金星環境ではこれに金星タグ参照が1つ加わる。
[Landlord]
盤面上のタイルの保有枚数を競う。
盤面戦略が強力になっている原因の1つ。植物産出が大量にあるときや、都市タイルで占有している領域が多い場合は早めに創設していい。比較的に安くおける特殊タイルなども枚数に入るので、これが設立されるとそれらのカードの価値があがる。
[Scientist]
プレイした科学タグの枚数を競う。
これがあるおかげで科学タグをプレイしやすく、さらにカードには科学タグプレイ枚数を条件とするカードがあるため、使えるカードの幅が増える。その分科学タグは少し高いのだが。3枚差くらいあれば安心だが、デッドヒートすることもしばしば。Researchというカードは2枚科学タグがついているので最後にまくるためなどに保持しておくのも良いだろう。
[Banker]
MC産出量を競う。
MC産出量は増減しやすく、不確定要素が多いため早めに入るというのはおすすめできない。平気で10くらい増える。とはいえ他に取れそうな褒賞がないなら入っても良いが、2位でもいいやくらいの気持ちで考えておこう。
MC産出を一気にあげるカードとしては以下を注意しておこう。
Zeppelins:全員が置いた都市の数だけ産出が増える。
Insulation:発熱産出を減らし、減らした分だけMC産出を増やす。
Toll Station: 自分以外の宇宙タグの合計枚数分だけMC産出を増やす。
Interplanetary Trade: 自分が出したタグの種類の数分だけMC産出を増やす。
特にこの4枚だが、他にもCapitalなどもMC産出+5だし、自分が出した宇宙タグや地球タグの枚数分だけMC産出が増やすものもある。
[Thermalist]
所有する発熱資源の数を競う。
基本的に植物と違い、(Helionを除き)発熱は気温が上がりきると無駄になるのだが、この褒賞が設立されると例外。また、この褒賞が設立されることで、気温をあげることを躊躇してしまうこともしばしば発生し、そうなるとゲームが長くなる。
また最後の世代の電力資源も入るということを忘れてはいけない。ただ、電力産出をあげるのは発熱産出をあげるよりコストがかかるので、電力産出をあげてこの褒賞に参戦するのはコスパが悪い。
[Miner]
所有する建材とチタンの資源の合計数を競う。
これに入るということは、建材やチタンを腐らせているということに他ならないが、カードの引きは悪い時は仕方がないので、産出がそれなりにありカードに全く使えそうな建物タグ、宇宙タグカードがない場合は割り切って入ろう。
建材資源やチタン資源はイベントカードで4,5個得られるというカードが何枚かあるので、それくらいは余裕でひっくりがえる可能性があることは頭に入れておこう。また、マップ周辺に建材やチタンが散らばっていることを忘れてはいけない。盤面点を伸ばしつつ、[Miner]を狙うという手もある。ゲーム終了後に植物タイルを置くフェイズで得られるボーナスもカウントされることに注意。[Banker]の次くらいに不安定。
[Venuphile]
プレイした金星タグの枚数を競う。基本マップは割と変動が多い褒賞が多く、最後まで誰が1位になるかわからないこともしばしば。そんな中この金星タグは、金星戦略をしているかどうかできっぱり別れるので比較的入りやすい。MSIなどの金星企業ならなおさら入りやすいだろう。安定度合いは科学タグと同じくらいか、こちらの方がまくられにくい。
基本マップで価値が上がるカード
・Giant Ice Asteroid
称号[Terraformer]があるため、TRが4あがるようなカードは強い。さらに基本マップは海洋配置の植物ボーナスが他のマップに比べて多く、植物資源2つを得られる箇所が4箇所もあり、これを拾ったついでに自分の緑地タイルも広げられるみたいな行動もできたりする。ついでに相手の植物も焼ける。
・Greenhouses
コスパが抜群。基本的には終盤に使う。基本マップは称号[Mayor]や褒賞[Landlord]が存在するため都市が置かれやすく、終盤には都市の合計数は10を超えているということはざらにある。つまり緑地タイル1枚+αくらいをたった6MC(購入含めても9MC)でゲットできる。終盤に使うので酸素濃度は上がりきっていることが多いが、それでも自分の都市に隣接させれば最低でも2VP獲得できる。
・Immigrant City
Tharsis Republicの企業効果と同じような効果をこのカードでゲットできる。序盤に使えれば強い。またMC産出は褒賞[Banker]にも絡んでくる。
・Insulation
褒賞[Banker]をまくるためのカード。そのためには発熱産出を事前に伸ばしている必要があるが、このマップでは褒賞[Thermalist]も存在しているため発熱産出を伸ばすメリットも大きい。褒賞をまくるためでなくても、気温が上がりきって発熱が無駄になっているときは実行して資金繰りを良くするのもいい。
・Interplanetary Trade
たぶんプロモのカードであるが、これも同じく褒賞[Banker]をまくれるためこのマップでは特に価値が上がる。タグの種類は序盤でも7種類くらいなら自然にプレイするので、序盤に使って元を取るのもあり。
・Martian Rails
これも都市が多い基本マップで一番役立つ。特に電力1さえあれば、中盤から終盤にかけて毎世代10MC近く臨時収入が入るので単純に強い。
・Pets
序盤で使えるとどのマップでも強い。このカード以降、都市が幾つ配置されるかによるが仮に9個配置されたとして、最初から乗っている1個と加えて、10/2=5VPとなる。しかもPetsにのっている動物は除去されないという謎のルールがあるため無双。
・Protected Habitats
盤面戦略が多い基本マップでは効果が高い。植物産出を伸ばしているときに特に嬉しいカード。盤面戦略をする場合これがあるだけで安心感がかなり違う。植物8個以上でためこんでいても燃やされる危険性がないため、都市を配置してからゆっくり緑地タイルを隣接させられる。
・Research
科学タグ2つがついている唯一のカード。これがメインの効果といってもいい。カード2枚引くのがむしろサブ効果。褒賞[Scientist]が存在するため、この2個タグというのは大きい。さらに1VPもある。
・Reseach Outpost
科学タグ、建物タグがそれぞれ褒賞[Scientist],称号[Builder]に絡んでおり、都市を電力なしで比較的安価に配置できるという効果も大きく、これは称号[Mayor]に絡んでいる。また、これ以降のカードを1MC安くプレイ可能という効果も絶大。ただし、他のタイルに隣接せずに都市を配置しなければならない点だけは注意。
・Rover Construction
建物タグ、1VP、都市が置かれるたびに臨時収入2MCがたったの8MCでプレイできる。これも都市が多く配置されがちな基本マップで特に効果が上がる。
・Stanford Torus
火星外の都市だが、都市配置の中では最安のカード。電力産出の消費もない。称号[Mayor]や褒賞[Landlord]には火星外の都市も含むため、このマップでの価値は高い。
・Zeppelins
褒賞[Banker]をまくるためのカード。Insulationよりは高いが、あれは自分の発熱産出が必要。このカードは全員の都市分のMC産出増加なので、何もしなくても終盤では10くらい平気で上げられる。おまけに1VPもある。
・特殊タイルを配置するカード
特殊タイルは褒賞[Landlord]に含まれ、安く配置できるものも多くあるため価値があがる。なるべく相手の都市の周りに配置して邪魔をしよう。
・科学タグが条件のカード
カードには科学タグが数枚プレイしていることが必須のカードがいくつか存在するが、このマップでは科学タグを出すメリットがあるため、科学タグが条件のカードもプレイしやすい。
・都市配置系カード
上記であげた都市系カードは特に強いが、それ以外でも都市配置は全体的に価値が上がっている。